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デンマークのCarlsbergというビールのキャッチコピーは"Probably the best beer in the world."です。世界最高のビールです!と言いながら、「たぶんね」という、
その自信のなさがとてもユーモラスです。ゴールデンウィーク頃の僕も、励まされては元気になり、
こき落とされては自信をなくすという無軌道な情緒でした。修士論文の中間発表が着々と近付いて来て、
指導会のことやら進路のことやらを考えると、安らぎは夢の中だけです。
そんな状況を打開すべく、京都の遠藤さんを訪れ、龍安寺石庭にて進路相談をお願いしました。
大学院での一年間は特段の目標もなく、適当な日々を過ごしてきたという自己嫌悪もあります。
研究者を目指しているわけでもないのに、似つかわしくない場にお邪魔を振り撒くという
状態をもう暫く続けられる自信がなかなか持てません。大学院の2年間は「おまけ」だったことにして、
教師になるのも良いかなぁ、と思ったり、やっぱり留学したいなぁ、と思ったり。他にも選択肢があるわけで、
本当に自分が何をしたいかは分かりません。というより、日和によってころころと
変わっていきます。
結局遠藤さんにはあれやこれやとお話し、特段の結論や方策もありませんが、
とてもすっきりしました。おしゃべりでストレスが解消できる、すばらしい身体です。遠藤さんとはその後、父上と良平も交えて京料理をいただき、哲学の道を一緒に歩きました。
京都はきれいな街です。電線を地中化してくれるともっといいんだけど。
「遠藤さんと京都の旅」の翌日の8日は、家族全員で山登りでした。お父さんは
学生時代に大阪に住んでいたので、その頃のガイド付のツアーでした。6人家族が5つの
ステーションで暮らしている上、お兄ちゃんは「仕事で多忙」がアイデンティティーなので、
普段はなかなか集まれません。…と言いながら、毎年何度も会っていますが。夫婦仲が良ければ家族円満。まちがいない。
最近の考え事は、「ポスト民主主義の時代」です。「彼岸」というのか、煩悩を脱した境地を見出した先人は
すごいと思います。でも、逆に煩悩を肯定し、欲望に満ちた世界を構想しても民主主義を超えられるかもしれません。
次は何がくるのでしょうか??
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龍安寺を仕切る遠藤氏(やらせです)
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箕面の山奥で一家が勢揃い
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水曜日に修士論文の中間発表会がありました。A4一枚に12ポイント以上の文字でレジュメを提出せよとの
指示があり、あたふたと準備しました。僕はスウェーデンの学校開発庁の役割と課題についての研究計画を
発表しました。先生方からは「報告書にならないように」「マイナー言語に甘んじないように」などの厳しいアドバイスと、
「内部での温度差をダイナミックに描けると良いですね」などの暖かい励ましをいただきました。中間発表が終わったら具体的に
章立てを考えて書き始めるように、と佐藤先生から言われています。目下文献をちびちび読んでいるところですが、
少しずつ道筋が見えてきました。同級生の発表も興味深いものが多く、1時間半ほどの発表会がとても充実した感じを受けました。
外国研究をする人もいて、共通する課題が見えてきました。とか言って、平常心でいられるのは今だけかもしれませんが。
発表会の後は院生控え室へ戻り、打上げをしました。普段は佐藤研のみなさんや授業が一緒の人と時々会うくらいなので、
久しぶりに同級生が勢揃いして、楽しいおしゃべりをしました。
最近は大学と小学校のみの生活で、体力が著しく低下しています。今月は文京区から出ていないなぁ、と考えてしまいます。
進路の悩みはとりあえず落ち着いてきましたが、結論が出たわけではありません。地名の歴史性に関する本を読んでいたら、
古代の橋占(はしうら)という占術がでていました。橋は昔から人通りが集中するところだったので、そこへ行き、耳に入ってくる
他人の話し声で何かを決断したそうです。僕も御茶ノ水橋へ行ってやってこようかな、とか思いました。でも、「ビッグイシューです!」とか、
「募金お願いしま〜す」では進路は決まらないかな。
冬にスイスの空港でスウォッチを買いました。100ユーロ(約13700円)だったのですが、スイスといえば時計ということで思い切って買いました。
ところが、翌月にオーストリアへ行ったら、同じものを街頭で65ユーロ(約8000円)で売っていました。かなりショックでした。
そして昨日、またまた同じものを自転車で10分の後楽園で見つけてしまいました。お値段9800円。はぁ。なにかとがっかりさせられるスウォッチです。
高校の保健体育の教科書にはストレス回避のパターンを5つくらいに分類してありましたが、「スイスで買った、思い出の品だ」と自己説得するしか
術はなさそうです。グローバル社会って、面白くないです。
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中間発表後の打上げ
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思い出はプライスレス
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テレビのお笑い番組「笑いの金メダル」で、芸人のヒロシが投稿を取り上げるコーナーがありました。
そこで、「ないものはない店」という看板を掲げた雑貨屋が出ていました。「ないものはない」、それは、
すべてのものが揃っているという意味ではなく、無い物は「無い」という開き直りの意味でした。
高校時代には「桜木町症候群」という話を聞きました。横浜にあるJR根岸線の桜木町駅を丁度通過した辺りで、
お決まりのアナウンスが流れます。「次は〜関内〜、つぎは〜かんない〜」…。次、分かんないんです。
今日も文京の小学校で理科の授業をしてきました。最近は電気の学習でモーターカーを
作っています。細かな部品が多く、説明書も子どもたちには不慣れなもので、なかなか大変です。「先生、銀の金具が
なくなりました」「先生、わかりませ〜ん」という声が留まることなく届いてきます。
先生も、ないものはないし、その次は分かりません。職責放棄のような崩壊型授業に悩みつつ生きています。
水曜日は年に一度の「学教大コンパ」が教育学部のラウンジでありました。院生と学部生の交流と、学生と先生方との
交流が目的で、修士1年生が企画してくれました。去年は僕たちの学年が企画してゲームなどをしましたが、
今年は「交流」をメインに、ラウンジでの立ち飲み会になりました。普段接することが少ない方々と
たくさん関われたということでとても評判が良かったです。僕は鬱々と臨んでいましたが、某N先生から
叱咤されてしまいました。普段は「地雷を踏む」と表現するのですが、この日は本人からミサイルを
打ちまくっていました。楽しいはずの飲み会も、被弾した学生は涙を流して伏すしか術がありませんでした。
院生は如何なる時も楽には飲めないのですね。
おじいちゃんの「座右の書」が出版されました(杉野茂「漢文歳時記」伊勢新聞社、2005)。館柳湾編「林園月令」という漢文書を
読み下し、季節ごとに載せてあります。「今日の漢文」のように、今の季節と関係のあるところから読み始めましたが、
難しいので読み切るにはもう少し時間がかかりそうです。おじいちゃんが長年かけて書いた本ですから、読み手も長年で読んでしかるべきでしょう。
明日は懐かしの東京学芸大学で学会があります。遠藤さんが今晩から泊まりに来て、明日発表します。学会では
人見遊山になりそうです。
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教授と語る学教大コンパ
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おじいちゃんの座右の書
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先週は東京学芸大学へ3回もお邪魔しました。土曜日と日曜日は日本カリキュラム学会があり、水曜日は学芸大からヨテボリ大学へ
留学した後輩とヨテボリ大から学芸大へ留学しているスウェーデン人で交わりました。学芸大は僕が入学する前年に講義棟を新築したので、
東大と比べると新しくてきれいです。机やいす、黒板はもちろん、テレビモニターやLAN回線などもあり、講義や学会にはとても便利です。
でも、どことなく専門学校のような匂いがします。学部時代はほとんど行かなかった大学ですが、卒業するとなんだか懐かしく感じるのは妙です。
月曜日には佐藤先生の修論指導会が予定されていました。が、学部長室前で会うなり「あ…」と一言。まぁ、よくある事とは言われますが。
結局初めての「自主」指導会を開くことになりました。最近は教師の専門職大学院構想でお忙しい様子です。そんなわけで、指導会は今週火曜日に延期になり、
指導会後には飲みに行く手筈となりました。今度こそ覚えてくれていると良いのですが。
小学校では木曜日に演劇鑑賞教室がありました。僕もその日は4年生に無理やり干渉しながら鑑賞する予定だったのですが、急遽お休みをいただいてOECD/Japanセミナーに参加しました。
修士論文のテーマにしているスウェーデンの学校開発庁から、アン・クリスティーンさんが来日されるということで、会いに行きました。
この日の収穫はとても大きく、アン・クリスティーンさんとは休憩時間ごとにたくさん質問し、結局1時間以上お話を聞くことができました。
セミナーの後は招待された専門家のみのレセプションが開かれました。僕となかたんはノルウェーの教育省の方の
強力な(強引な?)サポートにより、名札なしで参加させていただきました。レセプションでは各国の教育省の方々や第一線の教育学者と
カジュアルにお話しすることができました。
土曜日はセミナーで再会したヴァリヤルヴィ教授を鎌倉へご案内しました。ヴァリヤルヴィさんはフィンランドのユヴァスキュラ大学教育学部長で、
OECDのPISA調査のフィンランド研究代表をされています。この日は長谷寺と高徳院をゆっくり見てまわり、最後に江ノ島でビールを飲んで帰ってきました。
長谷寺はアジサイのベスト・シーズンで、最高でした。
ヴァリヤルヴィさんとは5時50分に竹橋で別れ、6時からは御茶ノ水の我が家で大泉寮の同級生と久しぶりに
集まって飲みました。我ながら見事な時間感覚です。同級生はそれぞれの道で社会人としてがんばっています。
大概一年目は、「社会人は学生とは違って大変なんだぞ〜」と愚痴られるのですが、もう2年目の彼らは互いの距離感を尊重しあう姿勢になっていました。
さて、来年は僕が社会人1年生になるのでしょうか?
梅雨なのに晴れ続きのこの頃は、「汗ばむ陽気」にうんざり気味です。結局どんな天候でも文句を言っているのでしょう。6月中に読み切ろうと思っていたスウェーデン語の論文は、未だに4ページ目でとまっています。
ひとつを知るとふたつに悩む。お金も無いしねぇ…。
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フィンランド教育相と
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ヴァリヤルヴィ教授と大仏
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先週末は茨城県の里美村で一泊のキャンプをしてきました。8月にある江戸川区の野生体験キャンプの実地踏査と
指導員のスキルアップを兼ねての実習です。キャンプ場につくなり、オニヤンマの脱皮に遭遇しました。ちょうど3年生の理科では「完全変態と不完全変態」の
学習をしているので、教材にもってこいでした。夕飯は竹飯とストロガノフのようなものをいただきました。傍らでは2時間半もかけてバウムクーヘンを焼き、
遅いおやつにしました。9時ごろにはひと通りの計画が終わり、おしゃべりタイムになりました。雨も降り出して、翌日が心配でしたが、11時頃には就寝しました。
翌朝はそうめんの麺で冷し中華を作り、朝ごはんにしました。ロープワークの講習会などをして、お昼には東京から来た実踏当日組と合流しました。
今回は一泊とは思えないほどたくさんの成果がありました。お車を出してくださったり、企画からご協力いただいた皆様に感謝します。本番が楽しみですね。
16日の金曜日は文京の小学校の先生方が退職祝いをしてくださいました。一学期の3ヶ月間という短い期間でしたが、3、4年生の理科を担当していました。緊張感のある職員室に戸惑ったり、
「先生、平成何年生まれ?」と尋ねる子どもたちとのギャップに驚きながらも、楽しく終えることができました。理科なんか専門でもないのに、分かったふりをして教科書に載っている
ことをそれらしく話すだけの授業ばかりしていました。なので、反省も多々あります。しかし、多くの先生方にたくさんのアドバイスと励ましをいただいて、前向きになることも多くありました。まぁ、これからは「二束(二足?)のわらじ」生活から解放されて、人間らしい生活が
おくれることを期待しましょう。
昨日と一昨日は思い立って実家へ帰りました。小学校は学期末の忙しさの中、15日は大学の課題提出日だったため、先週まではきつい生活を送っていました。そんな訳で、久々の休養を満喫したいと思いました。
日曜日は小田原へ遊びに行き、御幸の浜や小田原城、万葉の湯などを楽しんできました。そして今日は東京の家でゆっくりしています。
最近ずっと読んでいた『プロパガンダ 広告・政治宣伝のからくりを見抜く』(A.プラトカニス/E.アロンソン著、社会行動研究会訳、誠信書房、2004)をついに今日読み切りました。
テレビのCMやニュースに含まれる宣伝、そして政治家の説得に含まれるプロパガンダを、ナチや古代ギリシャのそれを織り交ぜながら分析しています。それを読んでいると、
テレビは番組を作るためにスポンサーを集めているのではなく、スポンサーの広告を見せるために番組を作っているのではないかとも思えてきます。読みやすい書き口でしたが、
ところどころで立ち止まって考えることも多い本でした。
夏休みの三宅島旅行計画と9月からのスウェーデン研究旅行計画で頭がいっぱいです。夏はそれだけで元気になる良い季節です。
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野生体験キャンプの実踏
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難攻不落の小田原城
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